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【徹底比較】ビルトイン食洗機は深型・浅型どちらにすべき?後悔しないポイントを解説

新築やリフォーム・リノベーションでキッチンの設備を検討する際、ビルトイン食洗機の導入を考える方は多いでしょう。

食洗機は容量によって「深型食洗機」「浅型食洗機」に分けられます。容量やコスト、設置場所、そして日々の使い勝手など、それぞれの特徴を理解せずに選んでしまうと、「思っていたのと違った…」と後悔することになりかねません。

この記事では、ビルトインの深型食洗機と浅型の違いや選ぶためのポイントを比較・解説します。

目次

深型食洗機と浅型食洗機の違いを比較

キッチンのリフォームや住宅購入の際に悩みがちなのが、ビルトイン食洗機の「深型」と「浅型」のどちらを選ぶかです。

見た目や設置スペースだけでなく、容量やコスト、そして日々の家事効率に大きく影響します。まずは、両者の基本的な違いから見ていきましょう。

 浅型食洗機深型食洗機 ※フルオープン型
希望小売価格165,000円202,000円
高さ(幅)45cm60cm
食器収納点数40点44点

※Panasonic製食洗器を比較(2025年調査時点の情報)

コスト

食洗機を選ぶ際、本体価格や日々の電気・水道代は重要な判断基準です。単純な価格差だけでなく、総合的なコストパフォーマンスを考えてみましょう。

ここでは、深型と浅型の「購入費用」と「ランニングコスト」について比較します。

購入費用

一般的に、同じ性能であれば深型は浅型よりも本体価格が数万円高くなります。

ただし、機能やブランドによって価格差は異なるため、一概には言えません。比較する際は、深型・浅型という条件だけでなく、機能面や奥行きなど他の条件も比較するとよいでしょう。

ランニングコスト

1回の運転あたりの費用は浅型がわずかに安くなる傾向がありますが、同じ性能の機種であればそこまで大きな差はありません。

むしろ深型は容量が大きいため、食器や調理器具をまとめて一度に洗うことができます。運転回数を減らして水道代や電気代を抑えられるケースも多いです。

設置場所

深型は高さがあるため、シンク下のスペースに設置することはできません。食洗機の下に収納スペースを設けることが難しく、キッチンの収納力が減るというデメリットがあります。

浅型は食洗機の下に専用のキャビネットを設置することで、収納スペースとして活用できます。ただし、キャビネットの購入・設置に別途費用がかかり、結果的に深型よりも総額が高くなる可能性があります。

深型食洗機のメリット・デメリット

深型食洗機は、その名の通り庫内が深く、大容量であるのが最大の特徴です。

「まとめ洗い」や「調理器具も一緒に洗う」といった家事の時短効果が期待できますが、一方で設置場所に関する注意点もあります。

メリット①大容量でまとめ洗いが可能

浅型よりも多くの食器を一度に洗えるため、大家族はもちろん、少人数の家庭でも、朝晩の食器や調理器具をまとめて洗うことができます。

1~2人暮らしであれば浅型食洗機でも不自由なく使えますが、3人以上の家庭では深型食洗機でないと不便に感じるかもしれません。

将来的に家族が増えた場合も買い替えなくてもよいというメリットもあります。

メリット②大型調理器具や食器も収納可能

鍋やフライパンといった大型の調理器具も、食器と一緒に洗うことができます。

また、浅型では入らない高さのあるグラスや大皿も楽に入れられるため、手洗いする手間が省けます。

また、容量が大きいと食器と食器の間に十分なスペースを確保できるため、スムーズに出し入れができるメリットもあります。

メリット③節水・時短効果

一度に大量に洗えるため、手洗いに比べて大幅な節水効果が得られるほか、日々の家事の時短にも大きく役立ちます。

食事ごとに食洗機を回して片づける必要がなくなり、家事の時間を大幅に短縮できます。

デメリット①収納スペースが狭くなる

ビルトイン食洗機は、キッチンキャビネットの1つを取り外して設置します。深型は庫内が深いため、食洗機の下部に収納スペースを設けることができません。一般的にそこまで大きなスペースではありませんが、キッチン全体の収納スペースが少し狭くなってしまいます。

特に、深型食洗機を採用する場合は全体の収納スペースが確保されているかチェックするようにしましょう。

デメリット②設置場所が制限される

深型は高さがあるため、シンク下のスペースには設置できません。通常、調理台の下に設置することになりますが、キッチンのレイアウトによっては設置可能な場所が限られることがあります。

また、リフォームで深型食洗機を設置する場合はサイズの問題でそもそも設置自体ができないケースも考えられます。

デメリット③コストがかかる

深型食洗機は、浅型と比較して本体価格が一般的に数万円高くなります。

ランニングコストに関しても、毎回食器を少量しか洗わない場合は運転回数が増え、結果として割高になってしまう可能性があります。大容量を活かしてまとめ洗いを心がける必要があるでしょう。

また、住宅メーカーによっては浅型が標準仕様で、深型はオプション扱いとなっているケースもあります。費用が想定よりも膨らむ可能性があるため、特にリフォームやリノベーション、注文住宅で取り入れる際は標準の仕様を確認しておくとよいでしょう。

浅型食洗機のメリット・デメリット

浅型食洗機は、食洗機の上部か下部に収納スペースがあります。深型に比べて本体価格が比較的安く、設置の自由度が高いのが特徴です。

少人数の家庭や、初期費用を抑えたい場合に人気がありますが、容量が小さいことによるデメリットも理解しておく必要があります。

メリット①本体価格が安い

深型に比べて本体価格が安価であり、1回あたりのランニングコストも浅型食洗機の方がやや安くなります。

初期費用をなるべく抑えたい、食器を使う機会がそこまでない、という方は浅型食洗機のほうが安く済むかもしれません。

メリット②スペースを確保しやすい

浅型の場合、食洗機の下に専用のキャビネットを設置し、収納スペースとして活用できます。

キッチンの収納力を少しでも増やしたい場合、キッチン全体の収納スペースが狭い場合は大きな利点となるでしょう。

また、深型に比べて高さがないため、設置場所の制限が少ないです。

メリット③少量の食器でも気軽に使える

一度に洗う食器の量が少ない場合でも、庫内に無駄なスペースができにくいため、抵抗なく気軽に運転できます。

食器が少量しかない時でも、手洗いせずに食洗機に任せられるため、一人暮らし・DINKS世帯で家事をなるべく効率的に済ませたいという方には浅型食洗機がおすすめです。

デメリット①一度に洗える量が少ない

いつもより食器が多く出た場合や、来客時など、洗いたいものが全て入りきらないことがあります。

その場合、結局手洗いしたり、複数回運転したりする手間とコストがかかってしまいます。

デメリット②大型調理機具や食機が入れにくい

鍋やフライパン、高さのあるグラスや大皿など、大型の食器や調理機具を入れることに制限があります。これらの手洗いが面倒に感じる方には浅型食洗機は不向きです。

大きめの調理器具や食器もまとめて洗いたい、という方には深型食洗機が向いているでしょう。

深型食洗機は「フロントオープン型」という選択も

最近機能性で注目されているのが、フロントオープン型の食洗機です。

浅型も深型も従来はスライドオープンと呼ばれるタイプでしたが、最近各メーカーでフロントオープン型の深型食洗機が次々と発売されています。

ドアが手前に倒れるように開くため、庫内の空間全体にアクセスしやすいのが最大の特徴です。スライドオープン型と違い、上段と下段のラックを同時に引き出して、効率よく食器をセットできるため、特に大皿や調理器具など、量の多い食器を扱う際の作業効率が向上します。

食洗機の浅型・深型は生活スタイルに合わせて選ぶ

ビルトイン食洗機は、深型と浅型で容量、コスト、設置場所に違いがあり、それぞれのライフスタイルに合った選択が重要です。深型は大容量で大型調理機具も洗え、家事の時短と節水に優れますが、本体価格が高く収納スペースが減るデメリットがあります。一方、浅型は価格が安く収納スペースを確保できますが、一度に洗える量が限られるという点に考慮しなければなりません。

ちなみに、パックシステムのリノベーション済み物件は共働きファミリー向けの3LDKを多く扱っているため、お客様の快適な暮らしを考えて深型食洗機を標準仕様としています。また、一部の物件ではさらに利便性を向上させるため、フロントオープン型の食洗機を採用しています

自分で食洗機の種類を選ぶ場合も、普段の生活スタイルに合うものを選ぶ視点が重要です。

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