
不動産購入における最大の山場の一つが、売買契約の締結です。
不動産を購入する場合、売買契約の締結時に物件に関する重要な情報の説明を受け、法的拘束力のある契約を結びます。大きなお金のやり取りが発生する取引であり、重要度は非常に高いといえるでしょう。
本記事では不動産売買の購入側(買主)になった場合のおおまかな流れと、契約前に知っておくべきポイントを解説します。

村上広宗
パックシステムSL課課長。不動産仲介会社での経験を活かし、SUUMOなどのポータルサイトの運用・直販事業に携わる。
宅地建物取引士・住宅ローンアドバイザー・猫/犬との住まいのアドバイザーを保有。
契約当日の基本情報
平均的な所要時間と場所
売買契約の当日に要する時間は、全体を通して3時間程度が平均的です。専門用語を用いる説明も多いため、集中力を保って臨む覚悟が必要です。
実施場所の法的な規制はありませんが、不動産会社の事務所の応接室などで行うのが一般的です。
契約の参加者
契約の場には、「買主(購入側)」「不動産会社の担当者」「宅地建物取引士」「売主」が参加します。
ただし実情としては、契約の場に売主が出てくるケースは少ないです。そのため、売主と顔を合わせることは少ないでしょう。特に中古マンションの取引では、売主が同席しないケースの方が多いです。
参加の有無は売主の意向や不動産会社の慣習によって異なるため、気になる場合は事前に確認しておきましょう。
買主側の持ち物
契約当日、買主は以下のものを確実に持参する必要があります。一つでも欠けると契約が進められなくなるため、事前に細かくチェックしましょう。
| 本人確認書類 | 氏名・住所・顔写真付きのもの (運転免許証やマイナンバーカードなど) |
| 印鑑 | シャチハタ以外の印鑑 |
| 印鑑証明書 | 実印が本物であることを証明する書類 発行から3ヶ月以内のもの |
| 手付金 | 契約の成立を証し、解除の保険となる金銭 現金または小切手で用意する |
| 印紙代 | 売買契約書に貼付する収入印紙の費用 |
売買契約当日の流れ

契約は、法的な手続きと金銭のやり取りを確実に行うためにしっかりとした手順で進められます。
①重要事項説明と確認
不動産業者には、契約締結前に買主に対して重要事項の説明を行うことが法律で義務付けられています。
そのため、重要事項説明に特化した宅地建物取引士が「物件の概要」「法令上の制限」「契約条件」といった重要事項に加え、物件状況報告書や付帯設備表といった書類の内容を説明します。
物件の瑕疵(かし)、過去の雨漏りや隣地との越境の有無、住宅設備(給湯器やエアコンなど)の有無や故障状況について、担当者の説明をしっかりと聞いて不明点を解消しましょう。
特にリノベーション前の物件を購入する場合はこうした設備状況などの確認が必要不可欠です。専門用語を使った説明が多いため、不安な場合はあらかじめ重要事項説明書の内容をコピーしてもらい、目を通しておきましょう。
②売買契約書の読み合わせと署名・捺印
重要事項の説明後、売主・買主双方で売買契約書を読み合わせます。
内容に間違いがないか、特に重要事項説明の内容が正確に反映されているかを最終確認します。
内容に納得がいけば、全ての書類に住所や氏名などの情報を記載し、捺印します。この際、印紙代として持参した収入印紙を契約書に貼付します。
③手付金の支払い
契約書の締結後、売買契約書に従い、買主から売主へ手付金が支払われます。
金額は売却金額の5%~10%が相場とされています。
手付金の支払いは売買契約書の署名日と別になることもありますが、その場合は支払いが確認できたこと(着金確認)で契約完了となります。
注意点
手付金は解約手付としての意味合いも持ち、契約後の解除に大きく関わります。高額なお金であるため、後々のトラブルにならないよう、金額を確認して必ず受領書を受け取りましょう。
④仲介手数料の支払いと今後の確認
不動産業者に仲介手数料の一部(半金)を支払うことがありますが、最近の取引では決済時に全額支払いとなるケースも増えています。事前に担当者に支払いタイミングを確認しておきましょう。
仲介手数料の支払いも手付金と同じく別日となるケースがあります。
最後に、不動産の決済日と引き渡し日を最終確認して契約の手続きは終わりです。
落ち着いて一つずつの流れを理解することが重要
契約当日は長丁場になりますが、焦らず、一つ一つのステップを理解して臨むことが重要です。
また、当日の手続きは購入する物件の種類や不動産会社によって異なる場合があるため、購入前に確認することをおすすめします。
なお、契約当日以外の具体的な流れについては以下の記事で解説しています。

