
住宅のリノベーションや購入を考える際、壁の材質について意識したことはありますか?私たちが日々目にしている壁のほとんどは、実は「石膏ボード」と呼ばれる建材でできています。
安価で加工がしやすく、防火性や遮音性に優れている石膏ボードは、住宅に欠かせないものです。一軒家・マンションともに一般的に用いられている建材ですが、どのような特性を持っているか知らない方も多いのではないでしょうか。
この記事では、家づくりやリノベーションに役立つ石膏ボードの基礎知識を分かりやすく解説します。
石膏ボードとは?プラスターボードとの違い
石膏ボードは「石膏」という天然素材を主成分とした建築材料で、水と混ぜて固めた石膏を芯材とし、その両面と側面を専用の紙で覆って作られています。住宅やオフィスビル、商業施設などあらゆる建物の壁や天井の建材として幅広く使われています。
カッターで簡単に切ることができ、軽量で施工がしやすいのが石膏ボードの特徴です。耐火性や遮音性にも優れているため、マンションや一軒家をはじめとして多くの建物で採用されています。
石膏ボードの仕組み
住宅の壁に石膏ボードを入れる場合、壁の内部にある柱や下地材に石膏ボードを固定し、その表面にクロス(壁紙)を貼って仕上げます。
ちなみに、石膏ボードは木材などと違ってネジや釘を直接打ち込むことができません。そのため、壁に家具や設備を取り付けたい場合は、石膏ボードの裏側にある柱や下地材を探す必要があります。
プラスターボードとの違い
一般的には、「プラスターボード」と「石膏ボード」はほぼ同じ用語として扱われます。
プラスターボードとは「プラスター(塗装用建築資材)」を芯材にしたボードの総称です。
つまり、正しい定義では「プラスターボード」という大きな分類の中に、最も一般的な建材として「石膏ボード」が含まれている、と理解すると分かりやすいでしょう。
マンション・一軒家における石膏ボードの用途
石膏ボードは、その優れた性能から、マンションと一軒家の両方で広く使われています。しかし、それぞれの建物の構造や目的に合わせて少し異なる使い方になる場合があります。
ここでは、マンションと一軒家における石膏ボードの主な用途を見ていきましょう。
マンションでの用途
マンションの壁は、隣の住戸との境にある「戸境壁」と、部屋を区切る「間仕切り壁」に分けられます。
間仕切り壁では軽量鉄骨や木材の骨組みに石膏ボードを貼るのが一般的です。一方、戸境壁で石膏ボードを使うと壁の内側の空間に隙間ができて音が響きやすくなるため、音が必要な場合は二重貼りを行う、空間に断熱材を入れるなどの遮音対策を行います。
一軒家での用途
一軒家でも、マンションと同様に壁や天井の内装材として石膏ボードが広く使われています。
石膏ボードは一点の強い衝撃や湿気に弱く、強風による飛来物や雨で破損しやすいため、一軒家でも外壁の建材として用いられることはほとんどありません。ただし、防火性能や遮音性を高める目的で内壁と外壁の間に石膏ボードを挟むことがあります。
リノベーションで使用する石膏ボード
新築住宅の建築だけでなく、リノベーションにおいても石膏ボードが使用されています。マンションのリノベーションを専門とするパックシステムでも、石膏ボードを使用して中古物件のリノベーションを行っています。
天井・壁の石膏ボードが老朽化している場合や間取りを変更する場合は、一度解体して新たに石膏ボードを取り付けます。
特に間接照明が当たる部分など、陰影にこだわる場合は貼り替えとなるケースが多いです。
パックシステムでは石膏ボードの防火性や遮音性、軽さのバランスを考慮した上で、壁には12.5mm、天井には9.5mmの厚さの石膏ボードを主に使用しています。

住まいに必要不可欠な「石膏ボード」
石膏ボードは、安価で加工がしやすく、耐火性や遮音性に優れているため、私たちの住まいの壁や天井に広く使われている建材です。
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