
中古マンションをリノベーションした物件の購入を検討している方も、自分でイチから理想を叶えるリノベーションを選ぶ方も、空間を格上げするリノベーションとはどんなものか気になっているのではないでしょうか?
アクセントクロスやアクセントタイルは、一面に取り入れるだけでその部屋の雰囲気をおしゃれに変え、ワンランク上の世界観を作り出してくれるアイテムです。
本記事では、中古マンションのリノベーションでおしゃれと「快適性」を両立させるために効果的な、アクセントクロス・アクセントタイルの事例を10個ご紹介します。
これらの事例を参考に、あなたの理想の住まいを実現させるためのヒントを見つけてください。
リビング
リビングは家族が最も長い時間を過ごし、ゲストを迎えるためにも使われる「家の中心」となる空間です。アクセントクロスやタイルを採用する際は、空間に奥行きと広がりを与えること、そしてインテリアのフォーカルポイント(視線を集める場所)を作ることを意識することが重要です。
単に色を変えるだけではなく、素材感を通常のクロスと変えていくことで、空間のグレードを格上げしてくれます。
事例①グレーのタイルで高級感を演出
リビングの一面やテレビボードの背面に、マットな質感のグレータイルを取り入れる手法は、空間に奥行きと洗練された高級感をもたらす定番のテクニックです。
単なる壁紙では出せない、タイルの持つ素材感と陰影が、インテリア全体を格上げします。

この事例では、高級感を高めるために光沢を抑えた大判のマットなグレーウォールを採用しました。これにより、重厚感とモダンさが両立されています。
空間に立体感が生まれるため、視覚的な広がりを感じさせるとともに、ホテルライクな非日常感を演出できます。

また、この事例ではリビングのフォーカルポイントに深いチャコールグレーのアクセントタイルを採用しました。表面にランダムな凹凸のある質感のタイルを選ぶことで、シャープな色合いでありながら、無機質になりすぎない、力強い存在感を空間に与えました。
黒に近いタイルは空間を引き締める効果がありますが、重くなりすぎるのを避けるため、周囲の壁は白やライトグレーでシンプルに仕上げ、強烈なコントラストを生み出しました。
事例②北欧風のおしゃれな雰囲気になる新緑のクロス
壁の一部に、彩度を抑えた深緑のクロスを張ることで、北欧インテリアが持つ「自然との調和」や「居心地の良さ」をリビングにもたらします。明るい木材やシンプルな家具との相性が抜群で、落ち着きのあるおしゃれな空間を作れます。

空間に安らぎを与える色が加わることで、リラックス効果が高まります。また、季節や流行に左右されにくいタイムレスな北欧デザインが確立されます。
キッチン
キッチンは、機能性とデザイン性が高いレベルで求められる空間です。
特にLDK一体型の場合、キッチンのデザインがリビングの印象も左右します。水回りとしての清潔感と、LDK空間の主役となる洗練された雰囲気を両立させることがアクセントクロス選びの鍵となります。
ただ綺麗なだけのクロスではなく、耐久性の高さも重要視しましょう。
事例③大理石調タイルで洗練された清潔感

この事例では、キッチンカウンターの前面や、コンロ前の壁(キッチンパネルの代替)に大理石調のタイルを採用することで、空間全体に圧倒的な清潔感と洗練された印象を与えました。
大理石特有の柄や透明感を再現したタイルは、水回りでありながらラグジュアリーな雰囲気を実現します。
天然石は手入れが難しく吸水性が高いため、この事例ではメンテナンス性に優れる人工大理石を使用しました。人工大理石のタイルは傷や熱に強く、水や油汚れも拭き取りやすいため、実用性とデザイン性を両立させています。
寝室
寝室は、心身を休ませるためのプライベートな空間です。リビングよりも落ち着きと安らぎを最優先にデザインするのがおすすめです。
アクセントクロスにも、心を落ち着かせるダークトーンやニュートラルカラーを選ぶのが基本です。実際の事例を見ていきましょう。
事例④空間をシックに落ち着かせるグレーの色彩

この事例では、壁面全体にトーンを抑えたダークグレーやアッシュグレーのクロスやペイントを採用することで、寝室にふさわしいシックで落ち着いた雰囲気を演出しました。
寝室は心身を休める空間であるため、このグレーの持つ鎮静作用と影のような深みを最大限に活用しています。
玄関
玄関は家の第一印象を決める重要な場所ですが、比較的狭いため、大胆な色や素材に挑戦しやすい空間でもあります。
アクセントクロス・タイルを取り入れる際は、正面の壁やカウンター上など、視線が集まる場所に絞って上質な素材感を加えて個性を演出しましょう。
事例⑤カウンター上にアクセントタイルを配置

この事例では、玄関の顔となるシューズボックス上部のカウンター(飾り棚)の壁面に、アクセントタイルを配置しました。
玄関は家全体の印象を決める重要な空間ですが、この小さなタイルゾーンが、ゲストを迎える際のアイキャッチとして機能し、空間に上質な雰囲気と個性を加えています。
事例⑥マグネットウォールで利便性とおしゃれさを両立

本事例では、玄関の壁に黒のマグネットウォールを採用しました。
このマグネットウォールは、シックなデザインのアクセントクロスとして機能するだけでなく、磁石を使って鍵やメモ、小物入れや植栽などを貼り付けられる利便性も特徴です。
洗面所
洗面所は、湿気が多く清潔感が重要視される空間です。アクセントタイル・クロスは、耐久性の高さとホテルライクな上質感を重視して選びましょう。
また、トーンを統一して様々な素材を採用した空間にすることで、小さな面積でも格調を一気に引き上げることができます。
事例⑦同系色のアクセントタイルで素材感を強調

この事例では、洗面所の壁全体や洗面台周りをベージュやグレージュといったニュートラルカラーで統一しつつ、その中で色味の近い同系色のタイルをアクセントとして採用しました。
空間全体の統一感を保ちながら、タイルのテクスチャを浮き立たせ、奥行きのある洗練された雰囲気を演出しています。
事例⑧ミラー下のタイルでさりげないおしゃれさを演出

こちらの事例では、単調になりがちなワントーンの空間に表情を与えるため、洗面台のミラー下に背面に横長の細いタイルを配置しました。
柔らかな同系色のタイルは、自然光や照明の当たり方によって豊かな陰影を生み出します。特に、マットな質感やわずかな凹凸を持つタイルを選ぶことで、光の反射が抑えられ、落ち着いた高級感と温かみのある雰囲気が強調されます。
トイレ
トイレは、家の中で最も小さな個室だからこそ、遊び心や非日常的なデザインに挑戦しやすい空間です。
空間を大胆に引き締めるダークトーンや、色味を揃えて清潔感を際立たせるワントーンコーデなど、「狭さを感じさせない奥行き」と「個性の強調」を意識しましょう。
照明の雰囲気とアクセントクロス・タイルの素材感を組み合わせることで、スタイリッシュな雰囲気が生まれます。
事例⑨鮮やかな黒でインダストリアルな雰囲気に

この事例では、トイレの壁の一部にマットな質感の鮮やかな黒を大胆に採用し、無機質でどこか武骨なインダストリアルな雰囲気を演出しました。
黒は空間を引き締める効果が非常に高く、他の素材や照明との組み合わせによりクールで洗練された印象を与えてくれます。
事例⑩高級感あふれるグレージュで空間に一貫性を

トイレの壁、床、手洗いカウンターなどをグレージュで統一し、単調になるのを避けるため、素材の質感に変化を与えたアクセントクロスを採用しました。
グレージュは温かみのあるベージュと洗練されたグレーの特徴を併せ持ち、空間全体に柔らかさと高級感、そして途切れのない一貫したデザインをもたらします。
デザインのバランスを見てアクセントクロスを入れる
ご紹介した事例からわかる通り、アクセントクロス・タイルを取り入れるときは「どこに、どんなトーンで使うか」というデザインの選択にかかっています。
特に、タイルやクロスといったアクセント素材は、空間全体の印象を決める重要な要素です。リビングではコントラストで高級感を演出し、寝室では同系色で落ち着きを深めるなど、空間の目的に合わせた素材選びが重要です。
ぜひ、今回ご紹介したプロの視点を取り入れ、機能性とデザイン性を両立させた、あなただけの理想的な住まいを実現させてください。
