
マンションの住み替えは、「何年住んだから住み替える」という明確な正解があるわけではありません。
ただ、一般的には5年、10年、15年といった5年ごとの節目で生活が変わることが多いといわれています。転職や結婚、出産、子どもの独立などのライフイベントが起こると、部屋が手狭になったり、反対に広すぎると感じることも珍しくありません。
ですので、基本的にそのライフステージの変化に合わせて住み替えができるよう、準備をしておくべきでしょう。
本記事では、マンションの住み替えを検討している方に向けて、住み替えを考えるべきタイミングを解説します。

村上広宗
パックシステムSL課課長。不動産仲介会社での経験を活かし、SUUMOなどのポータルサイトの運用・直販事業に携わる。
宅地建物取引士・住宅ローンアドバイザー・猫/犬との住まいのアドバイザーを保有。
【年数別】5年ごとに見る住み替えタイミング
マンションの住み替えは、5年ごとを一つの節目として考えるのがおすすめです。
5年未満で売却すると、所有期間の関係で譲渡所得税の負担が大きくなる可能性があり、住宅ローンの残債も多く残っているケースが多くなります。
そのため、家族構成の変化など住み替えを急ぐ事情がないのであれば、基本的には5年以上所有してから検討する方が多い印象です。
5年・10年・15年で住み替えるべき理由と、想定できる具体的なシチュエーションを見ていきます。
購入から5年
売却した年の1月1日時点で所有期間が5年を超えている場合、売却益は長期譲渡所得となり、短期譲渡所得よりも税率が低くなります。そのため、税制面では一つのチャンスといえるでしょう。
また、5年という期間は、ライフスタイルが変わりやすい時期でもあります。結婚や出産、子どもの成長、転職など、住まいに求める条件が変わる方も少なくありません。
現在のマンションがこれから先の生活にも合っているか、一度立ち止まって考えてみるタイミングとしておすすめです。
購入から10年
10年を超えてマイホームを所有すると、マイホームを売ったときの軽減税率の特例を利用できる可能性があります。

所有期間に関わらず、マイホームを売るときは3,000万円までは譲渡所得の所得税を控除できます。主に3,000万円以上の価格で売却する場合、さらに軽減税率の特例を利用できる仕組みです。
また、2021年以前に住宅を購入した方の場合、住宅ローン減税の控除期間が10年間となっています。控除期間が終了するタイミングを一つの区切りとして、住み替えを検討するのもよいでしょう。
また、新築マンションを購入した場合は10年前後で大規模修繕が実施されたり、修繕積立金が見直されたりするようになってきます。ランニングコストが上がるタイミングで住み替えを検討するのも一つのきっかけになると思います。
購入から15年
新築マンションを購入した場合、多くのマンションでは15年経つと1回目の大規模修繕を終えている時期でもあり、建物の管理状態によって資産価値に差が出やすくなります。また、築15年を過ぎると、給湯器や水回り設備など専有部分の設備更新が必要になるケースも増えてきます。
将来的に住み替えを考えているのであれば、築20年を迎える前に一度査定を受け、市場価格や住み替え先の相場を確認しておくのも一つの方法です。
住み替えをおすすめするタイミング
住み替えは、「何年住んだから」ではなく、「今の住まいがこれからの暮らしに合っているか」で判断することが大切です。
次のような状況に当てはまる場合は、住み替えを前向きに検討するタイミングといえるでしょう。
今の不便が今後3年以上続く
通勤時間が長い、部屋数が足りない、収納が不足しているなど、現在感じている不便が今後も数年間続く見込みであれば、住み替えを検討する価値があります。
反対に、不便だと感じる状況が数年で解消する見込みなら、住み替えを一旦見送るのも一つの手です。
家具の配置やリフォームでは解決できない
家具のレイアウト変更やリフォームで解決できる問題であれば、住み替えより費用を抑えられる場合があります。
一方で、立地や通勤時間、学区、部屋数、建物そのものの性能など、住まい自体を変えなければ解決できない問題であれば、住み替えを検討するタイミングです。
出産や進学など動かしにくい期限がある
家族構成の変更や子どもの入園・入学、転職など、時期をずらしにくいライフイベントが控えている場合も住み替えを考えやすいタイミングです。
特に子どもの進学を視野に入れる場合、小学校への進学が大きなタイミングになります。公立校に通う予定の方は、入学直前ではなく余裕を持って住み替えを進めることをおすすめします。
査定価格で住宅ローンを完済できる
住宅ローンが残っている場合は、売却価格でローンを完済できるかを確認しておきましょう。
売却代金だけで完済できれば、次の住まいへの資金計画も立てやすくなります。
新居購入後も預貯金を残せる
住み替えでは、頭金や諸費用だけでなく、引っ越し代や家具・家電の購入費なども発生します。
住み替え後も一定の預貯金を残せる資金計画になっているかは、必ず確認しておきたいポイントです。
新居で暮らす期間がある程度決まっている
数年後に再び転勤や住み替えを予定している場合は、今購入することが本当に適切か慎重に判断する必要があります。
一方で、今後5~10年程度は住み続ける見込みがあるのであれば、住み替えを検討しやすいタイミングといえるでしょう。
これから何年暮らせるかが大切
住み替えの目的は税金を抑えることではなく、これからの生活に合った住まいを選ぶことです。
出産、進学、転職、子どもの独立などによって現在のマンションが合わなくなった場合は、所有年数だけを理由に住み替えを先延ばしにする必要はありません。一方、一時的な不便や将来が固まっていない段階であれば、現在のマンションに住みながら準備する選択肢もあります。
「何年住んだか」だけではなく、「この先何年、無理なく暮らせるか」を基準に考えたうえで、売却価格と住宅ローン残高を確認することが大切です。
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