
マンションの一部屋を相続したものの、自分で住む予定がなく、手放したいと思った場合、どのような手続きが必要かご存じでしょうか。
相続した不動産を売却するには、通常の不動産売却とは異なる手続きが必要です。また、一戸建てとマンションでも手続きの方法にやや違いがあります。
この記事では、相続したマンションを売却し、引き渡すまでの手順や注意すべきポイントを宅建士監修で詳しく解説します。

村上広宗
パックシステムSL課課長。不動産仲介会社での経験を活かし、SUUMOなどのポータルサイトの運用・直販事業に携わる。
宅地建物取引士・住宅ローンアドバイザー・猫/犬との住まいのアドバイザーを保有。
相続したマンションを売却する具体的な流れ
相続したマンションを売却するには、遺産分割から引き渡しまで、順を追って手続きを進める必要があります。
①遺産分割の話し合い
マンションを相続したら、まずは相続人同士で誰が不動産を受け継ぐのかを話し合います。不動産は現金のように簡単に分けられないため、代表者一人が名義人となり、売却代金を相続人で分ける方法を取る方が多いでしょう。
話し合いがまとまったら、遺産分割協議書を作成し、相続人全員が実印を押します。この遺産分割協議書は、次の名義変更の手続きで必要になります。

ちなみに、相続期間中に発生するランニングコストは遺産分割の割合とは別個の費用として扱われます。この段階で、売却までに発生する管理費や修繕積立金、固定資産税などを誰が負担するのかも決めておくと、後のトラブルを防ぎやすくなります。
②名義変更
マンションの登記を自分の名義に変える手続きを行います。
現在の法律上、売却を前提とした場合でも亡くなった人の名義のままでは不動産を第三者に引き渡すことができません。
そのため、遺産分割の後、代表者の名義に相続登記する必要があります。
この相続登記の手続きは、集める書類が多く専門的な知識が必要です。基本的には、司法書士にお金を払って手続きを代行してもらうことになります。
③査定を依頼する
名義変更の手続きが終わったら、売却前の準備としてまず不動産会社に査定を依頼します。一社だけの査定ではその価格が適正かどうか判断しにくいため、複数の会社に見てもらうのがおすすめです。
信頼できる会社を見つけたら契約を結び、購入希望者が現れるまで待ちます。
複数の仲介と契約するのは問題ない?
複数の仲介会社と契約してそれぞれの会社で購入者を探すことも可能です。その場合、「一般媒介契約」という仲介契約を各社と結んで売却先を探すことになります。

ただし、不動産会社によっては一般媒介契約を受け付けていない(専任媒介契約のみ受け付けている)場合もあります。契約の段階でよく検討することが重要です。
④契約・引き渡し
マンションを買いたいという人が現れたら、金額や引き渡しの時期などの条件を細かくすり合わせ、双方が納得できたら売買契約を結びます。
引き渡し当日は、買い手から残りの代金を受け取り、同時に部屋の鍵を渡します。
鍵の引き渡しをもって、売却の手続きは終了です。
相続したマンションの売却先の判断ポイント
売却時には不動産会社で査定を行い、仲介を依頼して購入希望者を探すことになります。
基本的には査定価格が高い不動産会社に依頼するという方が多いと思いますが、査定価格が高すぎると実際にその物件を購入する人が見つからない可能性もあります。
不動産会社が提示する価格が適正かどうか、しっかり見極めて契約する必要があります。
また、価格以外で売却先を判断するのに重要なポイントをしっかり押さえておきましょう。
仲介か、買取か
一般的にマンションなどの不動産を売却する場合、まずは仲介してくれる不動産会社を探すことになります。
しかし、最近では直接買い取ってくれる会社(買主)に物件を売却できるケースも存在します。
その場合は、物件価格のおよそ3%といわれる売却時の仲介手数料が必要なくなるというメリットがあります。

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遺品整理が必要か?
相続した物件の場合、亡くなった方の荷物がそのまま残っていることも多いと思います。
整理されていない状態では売却が難しくなるため、遺品整理業者に依頼するか、時間を取って自分たちで整理する必要が出てきます。
買い取り先によっては遺品を残置物として処理してくれるケースもあるため、遺品整理が必要かどうか早めに判断しておくことをおすすめします。
売却までのスピード
不動産の相続では、相続税の負担が重くなる可能性があります。早めに売却しないと相続税の請求時期が来てしまい、最悪の場合支払いが滞るリスクも考えられます。
資金の都合で早く現金化したい場合は、売却価格だけでなく売却までの期間も重要な判断材料になるでしょう。売却先を決める際の一つの指標としてもよいでしょう。
急がない場合は市場の動きをみる
急ぎで売りたい場合は現金化の速さで売却先を決める必要がありますが、そうでない場合は同じエリアの同じ間取り・広さのマンションを見て、どのくらいの価格でいくつ出ているか動きを慎重に見るのも一つの手です。
同じエリアで同じような物件が複数出ている場合は価格相場が低くなりやすく、したがって売却価格も安くなってしまいます。
本当に有利な条件で売りたい場合は、今の相場で売ってもいいのか、どのような条件で売るべきか、じっくり腰を据えて不動産会社に相談しながら売却手続きを進めていきましょう。
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