
システムキッチンは、メーカーによって得意とする素材や機能が異なります。ホーローの手入れしやすさを重視するならタカラスタンダード、ステンレスキャビネットならクリナップ、人造大理石ならトクラスというように、優先する条件によっておすすめは変わります。
また、同じメーカーでもシリーズやオプションによって仕様が大きく異なります。メーカーの知名度だけで選ぶのではなく、自分の生活を整理することが大切です。
この記事では、リノベーションメーカーがおすすめするシステムキッチンメーカー7社の特徴を比較し、希望に合ったメーカーの選び方を解説します。

システムキッチンのおすすめメーカー比較
| メーカー | 主なシリーズ | 主な特徴 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| LIXIL | リシェル、ノクト、シエラ | 家具のようなしつらえを実現 | カスタマイズしすぎると価格が嵩む |
| Panasonic | Lクラス、Sクラス、Vスタイル | 家電メーカーならではの機能性 | Panasonic以外の設備を入れづらい |
| トクラス | コラージア、Bbプラス | 人造大理石の製造技術 | デザインがやや限られる |
| WOODONE | コノママ、スイージー、フレームキッチン | 無垢をはじめとする木材加工技術とデザイン | 世界観・お手入れへの配慮が必要 |
本記事では、主にパックシステムのリノベーションで使っているメーカーをおすすめとしてご紹介します。
おすすめシステムキッチンメーカー①LIXIL

| グレード | シリーズ | 特徴 |
|---|---|---|
| 最上位 | リシェル | カスタマイズ性が非常に高いセラミックの天板を選べる |
| 中級 | ノクト | カスタマイズ性が高く価格とのバランス◎ベアリングレール標準装備 |
| スタンダード | シエラ | シンプルなデザインと機能性 |
パックシステムでは、主にノクトにあたるグレードのシステムキッチンを採用しています。
ノクトはデザイン・機能・収納力のバランスが良く、価格を抑えながら見た目や使い勝手にもこだわりやすい中級グレードです。
家具のようなしつらえ
LIXILのキッチンは、いわゆる設備らしさを抑え、家具のように空間へなじませやすい点が魅力です。
リビング・ダイニングとキッチンは一体化した間取りになっていることも多いため、一緒に見たときのまとまりも重要です。
特にノクト以上のグレードでは、扉のデザインや面材によって造作キッチンのような雰囲気を作ることができます。
デザインのカスタマイズ性が高い
LIXILは、扉カラーや面材、シンク、水栓、収納などの選択肢が多く、同じシリーズでも仕様によってかなり印象を変えられます。
最上位のリシェルだけでなく、ノクトやシエラでも複数のカラーやデザインを組み合わせられるため、内装のテイストに合わせて調整しやすいメーカーです。
パックシステムでは、ノクトでモダンな框扉を採用できることに加え、グローエの水栓を組み合わせられる点もメリットとして見ています。
こうした選択肢の広さが、LIXILのキッチンが「家具のようなしつらえ」をつくりやすい理由の一つです。
リシェルはセラミックトップが選択可能
最上位グレードのリシェルでは、セラミック製のワークトップを選択できます。
ザラザラしていたが、去年ぐらいにタイルのようなセラミックトップが登場。デザイン性も向上。
セラミックは焼き物ならではの質感があり、熱や傷に強いのが特徴です。多くのシステムキッチンでは人工大理石のワークトップが一般的ですが、さらに素材感や耐久性を重視したい場合には選択肢になります。
扉カラーやシンクなどの組み合わせも豊富で、キッチン全体を細かくカスタマイズできます。ワークトップの高さも細かく設定できるため、身長や調理スタイルに合わせやすい点もリシェルの特徴です。
予算に余裕があり、素材や使い勝手まで細かくこだわりたい方には向いているグレードといえるでしょう。
注意点:オプションの選択によっては価格が嵩む
LIXILは、価格とデザインのバランスが良く、オプションの幅も広いため、さまざまな住宅に取り入れやすいメーカーです。
一方で、扉や水栓、シンク、収納、食洗機などを一つずつグレードアップしていくと、当初の想定より価格が上がりやすくなります。扉材ならシートと塗装で値段が大きく変わる。
特にノクトは標準仕様でもある程度のデザイン性と機能性を確保できます。全てを上位仕様にするのではなく、ワークトップや水栓など、こだわりたい部分に絞って予算をかけるのが全体のバランスを取るためのポイントです。
おすすめシステムキッチンメーカー②Panasonic

| グレード | シリーズ | 特徴 |
|---|---|---|
| 最上位 | L-CLASS(Lクラス) | カスタマイズ性が高いレイアウトの選択幅が広い |
| 中級 | S-CLASS(Sクラス) | フロントオープン食洗機に対応 |
| スタンダード | V-style(Vスタイル) | 基本機能を備えて価格を抑えられる |
Panasonic独自の設備
Panasonicを選ぶ大きなメリットが、自社で開発しているキッチン設備を組み合わせられることです。
代表的なのが、3つのコンロを横一列に配置した「ワイドコンロ」です。一般的な三角形の3口コンロと比べて横方向に広く使えるため、複数の鍋やフライパンを並べて調理しやすくなっています。システムキッチン丸ごとにすることでフラットなIHコンロを実現(調べる)。
また、対面側からも操作できる「対面操作マルチワイドIH」など、キッチンのレイアウトと調理設備を一体で考えた製品も用意されています。
Panasonic製の食洗機をメインに、機能や大きさの選択幅がかなり広いのもメリットです。
レイアウト・色の自由度が高い
レイアウトの選択肢が多く、空間や生活スタイルに合わせてキッチンをつくりやすいのもPanasonicの特徴です。
特に最上位のLクラスは、標準でも多くのプランレイアウトが用意されています。さらに「Uオーダー」を利用すれば、標準アイテムをベースにレイアウトを変形したり、サイズを調整したりと、より細かな要望にも対応できます。
扉だけでなく、カウンターやシンクなどもカラーを選択できるため、キッチン単体ではなくLDK全体のインテリアに合わせてデザインしやすいでしょう。
既製品のシステムキッチンをベースにしながら、造作に近い感覚でサイズやレイアウトまでこだわりたい場合は、Lクラスが有力な選択肢になります。
注意点:Panasonic以外の設備を入れにくい
Panasonicは、食洗機やIHクッキングヒーターなども含め、自社製品を組み合わせることで強みを発揮するメーカーです。
国内メーカーとして設備の選択肢が豊富なため、キッチン全体をPanasonicでそろえたい方にとってはメリットですが、海外製の食洗機や他社製の調理機器など、使いたい設備が決まっている場合は対応可否を先に確認しておく必要があります。
また、高機能な設備や上位仕様を選ぶほど価格も上がります。価格をできるだけ抑えることよりも、調理設備や食洗機などの機能性、レイアウトの自由度に予算をかけたい方に向いているメーカーです。
おすすめシステムキッチンメーカー③トクラス

| グレード | シリーズ | 特徴 |
|---|---|---|
| 最上位 | コラージア | 高品質の人造大理石テノールカウンターを導入できる |
| スタンダード | Bbプラス | 基本機能を備えて価格を抑えられる |
トクラスは、ヤマハの住宅設備部門をルーツとするメーカーです。楽器製造で培った塗装技術や、FRP技術を応用した人造大理石の開発に強みがあり、素材の開発から配合、成形、研磨まで自社で行っています。
グレードは、上位モデルの「コラージア」とスタンダードモデルの「Bbプラス」の2種類と比較的シンプルです。
人造大理石カウンター
トクラスを代表する特徴が、長年にわたって自社開発を続けている人造大理石です。
一般的な人工大理石とは異なり、天然鉱物を配合した素材を使用しており、熱や傷、衝撃、汚れに強いカウンターに仕上げています。日常的に使用するキッチンだからこそ、見た目だけでなく耐久性まで重視したい方にはメリットがあるでしょう。
中でも上位グレードのコラージアで選択できる「テノールカウンター」は、職人の塗装技術を生かした仕様です。セラミックトップに似た質感で、少しざらざらしているのが特徴です。
表面に凹凸をつけたエンボス仕上げと塗装を組み合わせることで、光の当たり方によって表情が変わる、重厚感のある質感に仕上げています。
一般的な人造大理石とは少し違った素材感を求める方にはコラージアが向いているでしょう。
海外製品をオプションで取り入れやすい
設備の組み合わせに比較的自由度があることもトクラスのメリットです。
海外メーカーを含むビルトイン食洗機や水栓などに対応したプランが用意されており、特注ではなくオプションとして選べる設備があります。
その分費用は上がりますが、「キッチン本体は国産メーカーにしつつ、食洗機や水栓には海外メーカーの製品を使いたい」といった希望がある場合には選択肢にしやすいメーカーです。
注意点:デザインがやや限られる
トクラスは素材に強みがある一方、デザインの選択肢についてはシリーズによる差が大きめです。
スタンダードのBbプラスは比較的明るい色やベーシックなデザインが中心で、素材感や重厚感を強く出したキッチンをつくろうとすると選択肢が限られます。中間にあたるシリーズがないため、よりデザインにこだわる場合は上位のコラージアまでグレードを上げることになります。
コラージアでは豊富な塗装扉を選べるためカスタマイズ性は大きく上がりますが、その分価格も高くなります。
また、トクラスは塗装技術を強みとしているメーカーのため、塗装ならではの色や質感を生かしたデザインと相性が良い一方、マットでシンプルな仕上がりを求める場合は選択肢がやや限られます。

ちなみに、パックシステムでは空間になじみやすいマット仕上げを選択して採用しています。
WOODONE

| グレード | シリーズ | 特徴 |
|---|---|---|
| 最上位 | cono:mamma(コノママ) | パターン化されたレイアウトで選びやすい |
| 中級 | su:iji(スイージー) | 木材中心でカスタマイズ性が高い |
| FRAME KITCHEN | 黒いフレームと木材を組み合わせたデザイン | |
| スタンダード | ちっちゃいsu:iji(スイージー) | コンパクトなレイアウトに特化 |
WOODONEは、今回ご紹介したLIXILやPanasonicなどとは少しタイプの異なるキッチンメーカーです。
上の表では価格帯などをもとに便宜上グレードを分けていますが、単純に上位になるほど高機能になるというラインナップではありません。それぞれコンセプトや得意とするレイアウトが異なるため、価格や機能だけでなく、作りたいキッチンの雰囲気に合わせてシリーズを選ぶことになります。
素材感重視のデザイン
WOODONEの大きな特徴が、無垢材を使ったキッチンです。
木の質感をそのまま生かした扉を採用でき、一般的なシステムキッチンとは違った、家具や造作キッチンのような雰囲気を作れます。
特に「su:iji」は樹種や扉デザインなどを選択でき、木を中心としたナチュラルな空間と相性のよいシリーズです。キッチンを単体の住宅設備として考えるというより、家具や床、建具などを含めて素材感を統一したい方に向いています。
無垢材の扱いに長けた木材メーカーならではの技術力
無垢材は湿度や温度の影響を受けやすく、反りや収縮などが起こりやすい素材です。
WOODONEは木質建材を長く扱っているメーカーで、そのノウハウをキッチンにも生かしています。無垢材ならではの質感を残しながら、住宅設備として使用しやすいよう加工されているのが特徴です。
造作キッチンのような木の質感を取り入れたい一方で、設備としての使いやすさや品質も重視したい場合には、有力な選択肢になるでしょう。
注意点:世界観とお手入れへの配慮が必要
WOODONEは木材の存在感が強いため、キッチンだけでなく周囲のインテリアとの組み合わせも重要になります。
床や建具、ダイニング家具などの素材や色によって印象が大きく変わるため、キッチン単体で選ぶというより、部屋全体のコーディネートを考えて選びたいメーカーです。
また、扱いやすいよう加工されているとはいえ、無垢材である以上は経年による色合いの変化などが生じます。
そのため、インテリアの自由度やお手入れの手軽さを最優先する方には、他メーカーのシステムキッチンが向いているかもしれません。
システムキッチンとは
システムキッチンとは、シンク・コンロ・調理台・収納などを組み合わせ、一枚のワークトップでつなげた一体型のキッチンです。
現在の住宅では一般的なキッチン形式で、メーカーごとに複数のシリーズが用意されているケースがほとんどです。
大前提、グレードが機能・デザインを左右する
システムキッチンをメーカーごとに比較する前に押さえておきたいのが、メーカー以上にグレードによる違いが大きいという点です。
基本的にはどのメーカーでも、上位グレードになるほど扉やワークトップ、シンクなどの選択肢が増え、収納や清掃性、調理設備などの機能も充実します。反対にスタンダードグレードは、選択肢を絞ることで価格を抑えたシンプルな仕様になっています。
そのため、「機能性ならこのメーカー」「デザインならこのメーカー」と単純に分けられるわけではありません。予算をかければ、多くのメーカーで高機能な食洗機や水栓、上質な面材などを取り入れることができます。
メーカーを比較するときに重要なのは、自分が検討している価格帯で、どこまで希望する仕様を実現できるかです。

システムキッチン選びで重要なポイント
システムキッチンを選ぶ際は、各メーカーの特徴を比較したうえで、自分がどこを妥協したくないのかを決めることが重要です。
デザイン
まずは、自分の好みに合ったデザインを選べるかを見てみましょう。
システムキッチンは一見するとどのメーカーも似ていますが、実際に比較すると、扉の質感や柄、ワークトップの色、取っ手の形状などに違いがあります。マットな面材が豊富なメーカーもあれば、光沢のある塗装や石目調を得意とするメーカーもあります。
上位グレードでは選択肢が増えるため好みのデザインをつくりやすくなりますが、中級・スタンダードグレードでは選べる面材やカラーがある程度絞られます。その価格帯で自分の好みに近いキッチンをつくれるかを確認しておくことが大切です。
パックシステムでは、リビング・ダイニングの家具やインテリアになじませやすいLIXILの「ノクト」に相当するシリーズを採用しています。
ワークトップの材質
ワークトップは見た目だけでなく、傷や熱、汚れへの強さなど、日々の使い心地にも関わります。どのメーカーもスタンダードから中級グレードでは、人造大理石を中心としたラインナップが多く、パックシステムでも価格と機能のバランスを取りやすい人造大理石を主に採用しています。
メーカーごとの違いがより大きくなるのが上位グレードです。
LIXILではリシェルのセラミックトップ、PanasonicではLクラスのグラリオカウンターやクォーツカウンター、トクラスでは長年開発を続けてきた人造大理石など、それぞれ力を入れている素材が異なります。
特に高級ラインを検討するのであれば、単純なグレードだけでなく、使いたいワークトップの素材からメーカーを絞るのも一つの方法です。
設備
食洗機を重視する場合は、導入できるメーカーやモデルまで確認しておきましょう。
国内メーカーの深型食洗機であれば多くのシステムキッチンで選べますが、フロントオープンタイプや海外製食洗機になると対応状況に差が出てきます。
例えば、ミーレの食洗機を導入する場合は基本的にオプションでつけられるLIXILかトクラスを選ぶことになると思います。
LIXILではキッチンの仕様によって扉材などの別注が必要になりますが、トクラスでは通常のオプションとして組み込めるなど、細かな違いもあります。
「食洗機は深型ならよい」という場合と、「フロントオープンにしたい」「特定のメーカーを使いたい」という場合ではそれぞれ選び方も変わってくるため、使いたい食洗機が決まっている方は早い段階で確認しておきましょう。
LIXILは黒い水栓を先取りしていた。
収納
収納は容量だけでなく、内部がどのようにつくられているかにもメーカーごとの違いがあります。
例えばLIXILは、オプションなしの状態だと仕切りがほとんどないため、市販の収納用品などを組み合わせて自分でレイアウトをつくりやすいのが特徴です。
一方、Panasonicやトクラスでは、調理器具や小物を収める場所があらかじめ細かく設計された収納も用意されています。最初から整理しやすい状態を好む方には仕切りがある方が向いていますし、自分なりの収納方法が決まっている方にとっては、シンプルな引き出しの方が使いやすいかもしれません。

設置条件の確認も重要
メーカーやグレードを比較する前に、そもそも希望するシステムキッチンを設置できるか確認する必要があります。
特にマンションのリノベーションでは、既存の配管や梁、ダクトなどの条件によって、選べるキッチンのサイズやレイアウトが変わります。
主に確認しておきたいのは、以下のような項目です。
- キッチンの間口と奥行き
- 給排水管やダクトの位置
- 梁や窓との干渉
- 搬入経路
- マンションの管理規約
- 希望する食洗機や設備を設置できるか
例えば、壁付けキッチンを対面式に変更したくても、排水管の位置や床下の高さによっては希望する場所まで移動できないことがあります。梁の位置によって吊戸棚を設置できなかったり、大型の食洗機を入れることで収納スペースが減ったりすることもあります。

カタログだけを見てキッチンを決めるのではなく、物件の条件と希望する設備をセットで考えることが重要です。
パックシステムでは、物件ごとに間取りや配管などの条件を確認したうえで、システムキッチンの種類やレイアウト、デザインを選定してリノベーションを行っています。
物件そのものの条件に合わせて仕様を調整することで、デザインと使い勝手の両方を考えたキッチンに仕上げています。
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