
マンションの資産性とは、分かりやすくいえば「いざという時に高く売れる力」です。
将来の買い替えを意識してマンションを購入する場合は、購入時点から売却までを見据えた出口戦略を考えるべきといわれていますが、そもそも資産性とはなんなのか、ご存知でしょうか?
本記事では、将来売却しやすいマンションを選ぶために、資産性を左右する主なポイントを解説します。
マンションの資産性を決めるポイント
マンションの評価で大切なのは、資産性のプラス・マイナスを考慮して相場に合っているかどうか判断することです。
ここでは、マンションの資産性を判断する際に基準となる主なポイントを解説します。
①エリア・立地
マンションの資産性を考えるうえで、立地の良さは重要なポイントです。
都心や主要駅へ通いやすい、複数路線を利用できる、スーパーや病院などの生活施設が近いといったエリアは、幅広い層から需要を集めやすくなります。
人口の比率や再開発の予定を確認し、将来的に周辺人口や世帯数が大きく減りにくいかどうかも考えておくとよいでしょう。
また、特にファミリー向けの間取りでは、交通利便性だけでなく、学区や保育園、幼稚園、学校などの教育環境も売却時の需要に影響します。
将来どのような人がその物件を購入するかまで考えて、エリアに合った部屋であるかどうかも考慮して選びましょう。
②駅からの距離
最寄り駅からの距離も、売却しやすさを左右します。一般的には駅徒歩10分以内のマンションが検討されやすく、駅に近いほど通勤や買い物の利便性も高くなります。
また、同じ駅徒歩10分でも、平坦な道と急な坂道では、実際に歩いたときの印象が異なります。信号や歩道橋が多い、歩道が狭い、夜になると人通りが少ないといった細かな条件も見て比較するとよいでしょう。
③管理状況
室内の内装や設備は自分でリフォームできますが、マンションの外壁や屋上、給排水管、エレベーターなどの共用部分は基本的に自分では修繕できません。
長期修繕計画が定期的に見直されているか、修繕積立金が不足していないか、大規模修繕が計画どおりに行われているかを確認しましょう。管理費や修繕積立金の滞納状況、管理組合の総会が適切に開かれているか、共用部分の清掃や設備管理が行き届いているかも重要です。
築浅でも管理が不十分なマンションは、将来的にまとまった修繕費が必要になったり、建物の状態が悪化したりする可能性があるため注意が必要です。
また、ペットの扱いなど管理規約による利用制限なども確認が必要です。
④築年数
一般的には、築年数が浅いマンションほど高く売れやすい傾向があります。ただし、築年数が古いだけで売却できなくなるわけではありません。
2025年に首都圏で成約した中古マンションの平均築年数は26.58年で、築20年を超える物件が全体の60.3%を占めています。一方で、成約率が最も高かったのは築11~15年のマンションでした。※
つまり、中古マンション市場では築20年を超える物件も多く取引されていますし、築浅だからといって必ずしも資産性が高いとは限りません。
新築時の価格や周辺相場より高い価格で購入すると、購入後の値下がり幅が大きくなる可能性があります。一方、築古でも立地と管理状態が良く、価格が適正であれば需要は見込めます。
また、再建築や建て替えに関する問題も重要です。特に築古の場合は、管理組合で建て替えなどの話が出ているかも確認しておくとよいでしょう。
※レインズ「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2025年)」
⑤権利関係
マンションの権利関係も、将来の売却しやすさに影響します。
専有部を所有できる所有権のついたマンションが一般的ですが、中には土地を一定期間借りて建物を所有する定期借地権付きマンションである可能性もあります。
定期借地権の場合は、借地期間がどれだけ残っているかによって、売却価格や住宅ローンの組みやすさが変わる可能性があります。
権利関係に特殊な条件があるからといって、必ずしも売れないわけではありませんが、その条件に見合った価格で販売されているかを確認する必要があります。
⑥再開発の予定
周辺の再開発によって、駅や商業施設が整備され、マンションの利便性や資産性が高まる可能性があります。
一方で、近隣に高い建物が建つことで、眺望や日当たりが失われるケースもあります。人や車の流れが増え、騒音や混雑が気になるようになる可能性もあるでしょう。
また、再開発への期待が販売価格へ織り込まれている場合もあります。
⑦騒音
道路や線路に近いマンションでは、車や電車の騒音が資産性に影響することがあります。特に線路沿いや国道、高速道路沿いでは、窓を閉めていても音や振動が伝わる場合があります。
室内を確認する際は、窓を閉めた状態と開けた状態の両方で音を確認しましょう。
二重サッシなど、防音性能を高める施工がされているかも重要です。設備がない場合は、購入後にリノベーションで設置する方法もあります。

部屋の条件も重要
マンション全体の立地や管理状態だけでなく、どの住戸を選ぶかによっても資産性が変わります。
①間取り
個性的な間取りや、梁・柱を生かしたデザイン性の高い住戸は、好みに合えば魅力的に感じられます。一方で、資産性を考えるなら、できるだけ多くの人が使いやすい間取りの方が有利でしょう。
各部屋が細長すぎない、家具を置きやすい、生活動線を取りやすいなど、クセの少ない間取りは売却時にも検討されやすくなります。
②採光部
方角や窓の位置も、住戸の印象を大きく左右します。一般的には角部屋や南向きの住戸が人気ですが、必ずしもすべての人にとって最適とは限りません。
窓の面積が広い住戸は明るく開放感がある反面、夏は室温が上がりやすく、冬は冷えやすいことがあります。
特にタワーマンションでは日差しが強く入りやすいため、近年は直射日光を避けやすい北向きを好む方もいます。
方角だけで判断するというより、採光と室温、眺望のバランスで見た方がよいでしょう。
③階数・眺望
一般的には、高層階ほど眺望が抜けやすく、人気も高くなる傾向があります。
ただし、低層階だから条件が悪いとは限りません。グリーンビューを楽しみたい方や、専用庭を求めている方には低層階の方が人気があるケースも見られます。
同じマンションでも、階数だけでなく、窓の先に何が見えるかによって住戸の評価は変わってきます。自分が住むだけなら眺望は気にしない、という方もいらっしゃると思いますが、資産性の意味では眺望をしっかりみておくことはとても大切です。
④リノベーション履歴
内装のデザインや設備は、購入後に変更できる部分も多くあります。一方で、築年数の古いマンションでは、給排水管など見えない部分の更新状況も重要です。
配管が古いままだと、将来的に漏水が発生し、床や壁を解体して大規模な工事が必要になることもあります。
特にリノベーション済みの物件を見る場合は、表面的な内装だけでなく、給排水管などの設備まで更新されているか確認しておきたいところです。
資産性の高いマンションは暮らしの変化にも対応しやすい
マンションの資産性を判断するときは、将来値上がりするかだけでなく、必要になったときに売れるか、売却代金で住宅ローンを完済できるかという視点も重要です。
特に影響が大きいのは、立地、駅距離、地域の需要、管理状態、購入価格です。室内の設備やデザインは後から変更できますが、立地や共用部分、管理組合の状態は一人の判断では変えられません。
加えて、同じマンションでも間取りや採光、階数、眺望、配管の更新状況などによって住戸ごとの差が生まれます。
出産や転職、子どもの進学などで暮らしが変わったときに、無理なく次の住まいへ移れることも、マンションが持つ重要な資産性といえるでしょう。
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