
洗面室やトイレ、キッチンの床は、水や汚れへの強さだけでなく、リビングとのつながりやデザイン、掃除のしやすさまで考えて選ぶことが大切です。
例えば、LDK全体を同じ木目でつなげたいなら耐水性に配慮したフローリング、水回りに高級感を出したいなら磁器質タイルなど、リノベーションで実現したい空間によって適した床材は変わります。
この記事では、洗面室・トイレ・キッチンに使われる床材について、リノベーションで重視したいポイント別に選び方を紹介します。

洗面室・トイレ・キッチンに使われる主な床材
住宅の水回りに使われる床材には、塩ビタイル、クッションフロア、タイル、耐水性に配慮したフローリングなどがあります。
それぞれ価格や質感、施工方法が異なるため、「水に強い床材」という条件だけで一つに絞ることはできません。また、同じ素材でも商品によって使用できる場所や性能が異なります。
特にトイレでは、尿による変色や劣化を防ぐため、耐アンモニア性能を備えた床材を選ぶ必要があります。洗面室やキッチンに使える床材だからといって、そのままトイレにも適しているとは限りません。
| 床材 | 主な特徴 | リノベーションでの使い方 |
|---|---|---|
| 塩ビタイル | 水や汚れに強く、デザインが豊富 | コストと意匠性を両立したい |
| クッションフロア | 継ぎ目を少なくでき、費用を抑えやすい | 予算を優先したい |
| 磁器質・セラミック系タイル | 硬く耐久性があり、素材感を出しやすい | 高級感を出したい |
| 耐水フローリング | 居室と同じ木目でつなげやすい | LDKの一体感を重視したい |
| 天然石 | 一枚ごとに異なる天然素材の表情 | 素材そのものにこだわりたい |
木目の床材:空間をつなげたいとき
リノベーションでは、洗面室やキッチンだけを独立して考えるのではなく、隣接するリビングや廊下とのつながりも重要です。
例えばLDKでは、リビング・ダイニングからキッチンまで同じフローリングを連続させると、床面が分断されず一体感のある空間になります。キッチンまで同じ床材でつなげたい場合は、耐水性や汚れへの強さに配慮されたフローリングがおすすめです。
実際の木材で作られたフローリングにこだわらなければ、木目調の塩ビタイルやタイルを使う方法もあります。隣接するフローリングと色味や木目の方向を合わせれば、素材を切り替えながらも空間につながりを持たせられます。

おすすめメーカー①DAIKEN
DAIKENは、木質系の床材を豊富に扱う住宅建材メーカーです。一般的なフローリングだけでなく、キッチンや洗面室など水濡れが気になる場所への使用を想定した床材も展開しています。
例えば「ジオラナチュラル」「ジオラスタンダード」などは、DAIKENがキッチン・洗面脱衣所におすすめする床材として案内しているシリーズです。また「アーティオ」も水濡れに配慮しており、木目をリアルに表現しながらキッチンや洗面室まで同じテイストでつなげられます。
リビング・ダイニングを木目の床にする場合、水回りだけまったく異なる素材へ切り替えるのではなく、DAIKENのように内装建材を幅広く扱うメーカーから選ぶと、色味や質感をそろえやすいのがメリットです。
「水回りだから塩ビ系にする」のではなく、LDKや廊下まで含めてフローリングの連続感を残したい場合に候補にしやすいメーカーです。
おすすめメーカー②Panasonic
Panasonicも、キッチンなどの水回りに使用できるフローリングを展開しています。
代表的なのが「ベリティスフローリング トリプルコート」です。表面だけでなく溝までコーティングされており、水や油による変色に配慮されているため、キッチンなどの水回りにも使用できます。傷やへこみにも配慮された仕様で、LDKからキッチンまで同じ床材でつなげたい場合に使いやすい商品です。
また、Panasonicは床だけでなく、建具やキッチン、洗面台などにも「ベリティス木目柄」を展開しています。洗面化粧台のシーラインでも、内装ドアや床などと木目を合わせたコーディネートが提案されており、住宅全体の色や素材をそろえやすい点も特徴です。
床材単体の性能だけでなく、建具や水回り設備まで木目を統一し、住まい全体につながりを持たせたい場合に向いています。
クッションフロア・塩ビタイル:コストを抑えたいとき
床材にかかる費用を抑えたい場合は、クッションフロアや塩ビタイルが候補になります。
クッションフロアは塩化ビニル製のシート状床材で、材料費・施工費とも比較的抑えやすいのがメリットです。大きなシートで施工するため継ぎ目も少なく、水や汚れを拭き取りやすいことから、賃貸住宅の原状回復などでも広く使われています。
塩ビタイルはクッションフロアより硬く、木目や石目、モルタルなどの凹凸や質感を表現した商品も豊富です。本物のタイルや石材より費用を抑えながら、ある程度素材感のある床に仕上げられます。
おすすめメーカー①サンゲツ
サンゲツは、クッションフロアや塩ビタイルの選択肢が非常に豊富な内装材メーカーです。
クッションフロアは木目・石目・タイル調などデザインが幅広く、水に強く継ぎ目を少なく施工できるため、キッチンや洗面室、トイレなどに使いやすい床材です。サンゲツも、水回りへの使いやすさに加え、材料・施工費を抑えやすい点をクッションフロアのメリットとして挙げています。
一方、分譲マンションのリノベーションである程度デザインにもこだわるなら、フロアタイルが候補になります。サンゲツのフロアタイルは木目や石目などの種類が多く、表面の凹凸まで再現した商品もあります。本物の木や石よりコストを抑えながら、素材感のある床に仕上げやすいのが特徴です。水回りやキッチンにも使用しやすく、日常的な拭き掃除にも対応しています。
壁紙も含めて内装材を幅広く扱っているため、床だけでなく壁との組み合わせを見ながら選びやすいメーカーでもあります。
おすすめメーカー②東リ
東リも、クッションフロアから塩ビタイルまで幅広く扱う床材メーカーです。
住宅用クッションフロア「CFシート-H」は、木目や石目など住宅になじみやすいデザインを多数展開しています。シート状で継ぎ目が少なく、水や汚れを拭き取りやすいため、洗面室やトイレなど清掃性を重視したい場所にも取り入れやすい床材です。
より意匠性を高めたい場合は、複層ビニル床タイルの「ロイヤルウッド」「ロイヤルストーン」が候補になります。木目・石目とも色柄やサイズが豊富で、大判サイズや表面のエンボスを生かした商品も展開されています。塩ビ系でありながら、床をインテリアの一部として見せやすいシリーズです。
サンゲツと商品ジャンルは近いため、メーカー名だけで決めるというより、実際のサンプルを比較して色味や柄、表面の凹凸などから選ぶとよいでしょう。
タイル:高級感を出したいとき
洗面室やキッチンをホテルライクに仕上げたい場合は、磁器質タイルやセラミック系タイルが候補になります。
塩ビタイルでも石目を表現できますが、本物のタイルは表面の質感や硬さ、光の反射などが異なります。大判のタイルを使って目地を少なくすると、床面をすっきりと見せながら高級感を出すこともできます。
タイルは硬く、冬場には冷たさを感じやすい素材なので、キッチンのように長時間立つ場所では、デザインだけでなく足触りや使い心地も考えて選ぶことが重要です。
また、水に濡れる場所では滑りにくさも重要です。防滑性を高めるために表面へ凹凸を設けた商品は、その分汚れが入り込みやすい場合もあるため、清掃性とのバランスも確認しましょう。
おすすめメーカー①LIXIL
LIXILは、住宅設備だけでなくタイル建材も幅広く扱っており、洗面室やキッチンなど住宅の水回りに使える床タイルも充実しています。
例えば洗面室向けには、タイル特有のヒヤッとした感触を抑える「サーモタイル」を展開しています。濡れた足で歩くことも想定しており、洗面室や浴室など水との関わりが深い場所で使いやすい商品です。
キッチン向けにも内装床タイルが用意されており、本物のタイルならではの質感を取り入れながら、水はねや汚れに配慮した床をつくれます。床暖房に対応した商品もあるため、タイルの冷たさが気になる場合には組み合わせて検討できます。
LIXILは洗面台やキッチンなどの住宅設備も扱っているため、水回り設備との組み合わせまで含めて比較しやすいのも特徴です。特定のデザインに尖ったメーカーというより、住宅用途で使いやすいタイルを総合的に探したい場合に向いています。
おすすめメーカー②名古屋モザイク
名古屋モザイク工業は、タイルそのもののデザインや素材感にこだわりたい場合に候補となる専門メーカーです。
住宅用だけでも非常に多くの施工事例があり、石目調やテラゾー、モザイク、大判タイルなど、一般的な内装材メーカーより幅広いデザインから選べます。
例えば「モストロ」はクォーツストンの石模様を再現したシリーズで、600角など大きめのサイズも用意されています。大判タイルを使えば目地を減らしやすく、ホテルのような広がりや高級感を出したい洗面室にも合わせやすいでしょう。
機能性やコストを優先して床材を選ぶというより、「この石目、この色、この質感を使いたい」というところから内装を組み立てたい場合に向いているメーカーです。
場所によって必要な床材の性能は異なる
洗面室・トイレ・キッチンはいずれも水を使う場所ですが、床に付着しうる汚れや使い方は異なります。
洗面室
洗面室は水はねが多く、洗濯機を設置する場合は床に重量もかかります。水を拭き取りやすく、日常的に掃除しやすい床材が基本です。
リビングや廊下から見える位置にある場合は、石目調の塩ビタイルや磁器質タイルなどを使ってデザイン性を高める方法もあります。
トイレ
トイレでは水や一般的な汚れへの強さに加え、尿汚れへの対策が必要です。そのため、耐アンモニア性能を確認して床材を選びましょう。
また、便器の周囲には汚れがたまりやすいため、継ぎ目や目地が多すぎないことも掃除のしやすさにつながります。
キッチン
キッチンでは水だけでなく、油や調味料などが床に飛ぶことがあります。汚れを拭き取りやすいことに加え、長時間立って作業するため足触りも考えたい場所です。
LDKの一体感を優先して耐水性に配慮したフローリングを使う方法もあれば、キッチン部分だけ塩ビタイルや磁器質タイルへ切り替えて、床材の違いをインテリアのアクセントにする方法もあります。

掃除を楽にしたいなら継ぎ目・目地にも注目
水回りの床を掃除しやすくしたい場合は、床材そのものの耐水性だけでなく、継ぎ目や目地の数にも注目します。
クッションフロアは大きなシートで施工できるため継ぎ目を少なくしやすく、日常的な拭き掃除がしやすい素材です。
塩ビタイルも表面の汚れを拭き取りやすい一方、一枚ずつ施工するため継ぎ目があります。磁器質タイルなどの場合はタイル自体に加えて目地の掃除も必要です。
タイルを使いながら掃除の手間を抑えたい場合は、大判サイズを採用して目地の本数を減らす方法もあります。
リノベーションでは床材単体ではなく空間全体で選ぶ
リノベーションで床材を選ぶときは、「水に強いから」という理由だけで決めるのではなく、住まい全体をどのように仕上げたいかから考えることが大切です。
例えば、LDKを広く一体的に見せたいなら、リビングからキッチンまで同じフローリングでつなぐ方法があります。水回りにホテルライクな高級感を出したいなら、洗面室やトイレを同系色の石目調タイルでまとめる方法もあります。
パックシステムでも、それぞれの場所に必要な性能を確認したうえで、壁や建具、リビングなどほかの部屋とのつながりを考えて床材を選定しています。
床材そのものの性能だけを比較するのではなく、コスト、掃除のしやすさ、足触り、デザイン、隣接する空間とのつながりまで含めて選びましょう。
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