
中古マンションや中古住宅を探していると、相場より安い物件に「既存不適格建築物」と記載されていることがあります。
既存不適格建築物であっても、住宅ローンを一切利用できないわけではありません。ただし、金融機関によって審査基準が異なるため、同じ物件でも融資を受けられる場合と受けられない場合があります。
そのため、価格の安さだけで購入を決めるのではなく、住宅ローンを利用できるか、将来売却するときに買い手がローンを組めるかまで考えておく必要があります。
本記事では、既存不適格建築物で住宅ローンを利用する際の注意点や、購入前に確認しておきたいポイントを解説します。

村上広宗
パックシステムSL課課長。不動産仲介会社での経験を活かし、SUUMOなどのポータルサイトの運用・直販事業に携わる。
宅地建物取引士・住宅ローンアドバイザー・猫/犬との住まいのアドバイザーを保有。
既存不適格建築物とは
既存不適格建築物とは、建築された当時は法令に適合していたものの、その後の法改正や都市計画の変更によって、現在の基準に合わなくなった建物を指します。
既存不適格になる主な理由
- 建ぺい率・容積率の基準が変更された
- 建物の高さ制限が変更された
- 日影規制が新たに設けられた
- 接道や道路後退に関する基準が変更された
- 耐震・防火・避難に関する基準が改正された
- 自治体の条例が変更された
既存不適格であっても、現在の建物をそのまま使用することは一般的に可能です。
ただし、建て替えや一定規模の増改築を行う際には、現行基準への適合が求められる場合があります。
「既存不適格」と「違反建築物」は違う
既存不適格とよく混同されるのが、違反建築物です。
既存不適格建築物と違反建築物は、建築された当時に法令へ適合していたかどうかが異なります。
既存不適格建築物は建築当時には適法だった建物ですが、違反建築物は建築当時から法令に違反していた、または建築後の増改築などによって違反状態になった建物を指します。
違反建築物は、ローンの審査に影響を与える可能性がかなり上がります。
既存不適格=ローンが通らない、ではない
既存不適格建築物は一般的な物件より住宅ローンの審査が厳しくなる可能性はあるものの、既存不適格であることが直接ローン審査に悪影響を与えるわけではありません。
建築当時の法令に適した建物であれば審査には問題なく通るケースがほとんどです。
旧耐震など他の条件が影響する可能性はある
ただし、既存不適格であることとは別に現在の耐震基準を満たしていない場合はローンに通りにくくなることがあります。
特に築年数の古いマンションでは、建築時期や耐震診断、耐震改修の実施状況を確認することをおすすめします。

マンション情報を提示する
事前審査の段階で「中古マンションを購入予定」と伝えるだけではなく、物件情報もあわせて提出します。
建築計画概要書などの関係書類などを参照したうえで金融機関へ提示し、違法な増改築のない既存不適格建築物であることを証明することが大切です。
既存不適格では条件を理解して検討
既存不適格建築物だからといって、住宅ローンを利用できない、購入すべきではないというわけではありません。金融機関や物件の状態によっては、一般的な中古マンションと同じように住宅ローンを組んで購入できます。
購入を検討する際は、既存不適格になった理由や建築当時の適法性、耐震基準など他の条件を把握したうえで、金融機関にも物件情報を提示してローン審査を進めましょう。
価格だけで判断せず、その物件をどのくらいの期間所有するのか、将来売却する可能性があるのかまで含めて考えることが大切です。
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