
築古マンションにお住まいの方や、中古マンションの購入を検討している方にとって、冬場の寒さは悩みの一つです。暖房をつけても部屋が暖まらない、窓際の冷気がつらいと感じる方も多いのではないでしょうか。
マンションの寒さは、生活上の工夫で和らげることができる一方で、建物の構造そのものに原因があるケースも少なくないため、根本的な原因を解消するにはリノベーションが必要になってくることも多いのが実情です。
この記事では、築古マンションがなぜ寒いのか、手軽な対策やリノベーションによる解決策などを解説します。
古いマンションが寒くなりやすい原因
対策を練る前に、まずは原因を知ることが大切です。
古いマンションが冷え込みやすいのには、建築当時の基準や素材などいくつかの理由があります。
①窓の断熱性能が極めて低い
部屋の熱の半分以上は窓から逃げていくと言われています。これは、古いマンションの多くが熱を伝えやすいアルミサッシと一枚ガラスの組み合わせで作られているためです。
この仕様は外の冷気を室内に伝えてしまうため、窓際から冷気が入り込み、部屋全体を冷やす原因となります。特に窓の面積が広い角部屋では、この影響が顕著に現れます。 実際にマンションのリノベーションにおいて、窓の断熱対策の前後で室内の快適性が大きく向上したという入居者の声も多く寄せられています。
②壁や床の断熱材が不足している
おおよそここ20年以内に建てられたマンションは、壁や天井に機能性の高い断熱材が設置されています。
しかし、1980年代から90年代前半に建てられたマンションは、断熱に関する基準が現在よりも曖昧でした。そのため、断熱材が薄い、あるいは入っていないことが多いです。
また、床材に関しても築古と築浅・新築で大きな違いがあります。現在は床下に空気の層を設ける「二重床」が主流ですが、古いマンションでは基本的にコンクリートに床材を直接張る「直床」の構造になっています。
直床は床からの冷えが伝わりやすく、断熱・遮音性の面では二重床に劣ります。

現在はリノベーション時に二重床にするのが一般的ですが、管理規約で直床が指定されているケースもあります。
③コンクリートの性質
これは築古マンションに限った話ではありませんが、コンクリートの性質も寒さを感じやすい主な理由の一つです。
マンションの構造体である鉄筋コンクリートは、一度冷えると温まりにくく、冷気を蓄えやすいという性質を持っています。
断熱材が不足している状態でコンクリートが外の冷気にさらされると、壁そのものが氷のように冷たくなり、底冷えを引き起こす原因となります。特に角部屋や最上階、一階の部屋はコンクリートの影響を強く受けます。
自分で手軽に始める寒さ対策4選
まずは自分で手軽に始められる寒さ対策をご紹介します。
断熱シートやプチプチを窓に貼る

手軽に窓の断熱性を上げる方法としては、断熱シートやプチプチ(気泡緩衝材)を貼るのがおすすめです。ガラスと室内の間に空気の層を作り、冷気が伝わるのを防ぐことができます。
断熱目的で取り入れる場合、跡が残らず霧吹きを使って手軽に貼れる水で貼るタイプがおすすめです。
ただし、見た目に生活感が出やすく剥がれやすいため、応急処置としての利用と割り切った方がよいでしょう。
すき間テープを貼る

玄関のドアや古い窓枠の隙間から入り込むすき間風も、部屋を冷やす大きな要因です。
市販のすき間テープをドア枠やサッシの枠に貼り付けるだけで、冷たい風の侵入を防ぎ、暖房効率を格段に上げることができます。
厚手で丈の長いカーテンに変える

生地の厚いカーテンや、裏地に断熱加工が施されたカーテンを選ぶと保温効果が高まります。ポリエステルの中綿が入った二重構造や、スエード調の素材が適しています。また、裾から冷気が漏れないよう、床に擦れる程度の長めの丈にするのがポイントです。
なお、遮光カーテンには等級があり、1級は遮光率99.99%以上となります。重量があるもの(1平方メートルあたり400g以上など)は防音効果も期待できます。
保温性の高いラグやジョイントマットを敷く

冷たい空気は部屋の下に溜まるため、足元の対策が必要です。
フローリングの上に厚手のラグやジョイントマットを敷くほか、ラグの下にアルミ保温シートを敷くことで、床からの冷えを軽減できます。
リフォーム・リノベーションによる寒さ対策
手軽な対策で限界を感じる場合や、これから中古マンションを購入して住みやすくしたい場合は、プロによる断熱リノベーションが解決策となります。
内窓(二重窓)の設置

マンションの寒さ対策として効果的なのが、内窓(二重窓)の設置です。既存の窓の内側に樹脂製の窓枠を取り付け、空気の層を作ります。
マンションの窓枠は共用部分のため勝手に交換はできませんが、内窓の設置は専有部分の工事となるため管理組合の許可を得やすく、工事も1日程度で終わります。断熱効果に加えて防音効果も得られます。また、既存の枠に新しい枠を被せるカバー工法もおすすめです。

断熱材を追加する
壁が冷たくて結露がひどい場合は、床・壁・天井に断熱材を追加するのも効果的です。
一度室内の仕上げ材を剥がして施工するため、間取り変更を伴うフルリノベーションのタイミングで行うのが一般的です。
予算と目的に合わせて最適な対策を選ぼう
古いマンションの寒さは、我慢してやり過ごすだけでなく、適切な対策を打つことで確実に改善できます。まずは手軽な窓周りのDIYから始めて効果を実感してみるのがおすすめです。
もし、長く快適に住み続けたい、あるいはこれから自分好みにリノベーションしたいとお考えであれば、内窓の設置や断熱材の追加といった本格的な対策を視野に入れてみてください。
